「起業したから、とりあえずかっこいいWebサイトを作ろう」
「最新のデザインで、自社の強みをたっぷりアピールしよう」
もしあなたが今、Web制作会社にそんな依頼をしようとしているなら、全力で止めさせてください。 そのまま何十万、何百万というお金をかけてサイトを作っても、あなたの商品は絶対に売れません。

えっ!? サイトのデザインが綺麗なら、お客さんは信用して買ってくれるんじゃないの…?
これが、ビジネス初心者が陥る最も恐ろしい「デザインの罠」です。 結論から言います。 お客様は、あなたの会社の歴史にも、最新の技術にも、おしゃれなアニメーションにも、1ミリも興味がありません。
今回は、私がWebアプリケーション開発やLP(ランディングページ)構築の現場で、血反吐を吐きながら学んだ「モノが売れる究極の心理学」をすべて暴露します。
あなたのビジネスに本当に必要なのは、綺麗なだけの「デジタルパンフレット」ではありません。 24時間文句も言わずに営業し続け、お客様の心を撃ち抜く「敏腕の営業マン」です。 その作り方を、今日ここでマスターしてください。
ドリルを買いに来た客が、本当に欲しいものは何か?
マーケティングの世界には、セオドア・レビットという学者が残した有名な格言があります。
「ドリルを買いにきた人が欲しいのは、ドリルではない。壁に開く『穴』である」
この言葉の意味が、本当に腑に落ちているでしょうか?
多くの企業は、自分のWebサイトで「うちのドリルはこんなに回転数が高くて、チタン製で、デザインがスタイリッシュです!」と必死にアピールします(=スペックのアピール)。
しかし、お客様の頭の中は違います。 「本棚を作りたいから、綺麗な穴を、手首を痛めずに、ご近所に騒音で迷惑をかけずに開けたいな」と考えているのです。
お客様はお金を払って「商品」を買っているのではありません。 その商品を使った結果得られる「自分の理想の未来(ベネフィット)」を買っているのです。
だから、あなたのWebサイトのトップページに「Welcome to our company」や「社長の挨拶」なんて書いている暇はありません。 サイトを開いた瞬間の最初の0.5秒で、「このサービスは、私の人生をどう良くしてくれるのか?」を突きつけなければならないのです。
ハーバード大教授が提唱した「ジョブ理論」の衝撃
では、どうすれば「お客様の本当の目的(穴)」を見抜けるのでしょうか? ここで、ハーバード・ビジネス・スクールの故クレイトン・クリステンセン教授が提唱した『ジョブ理論(Jobs to be Done)』という最強のフレームワークを紹介します。
「人は、自分のある『用事(ジョブ)』を片付けるために、その商品を『雇用(Hire)』する」という考え方です。
クリステンセン教授が、あるファストフード店の「ミルクシェイク」の売上を伸ばすための調査をした時の話が非常に本質的です。
店側は当初、「もっと甘くしよう」「フルーツを足そう」と商品改良(ドリルの改良)をしていました。しかし、全く売上は上がりません。
そこで教授は、ミルクシェイクを買っていく客を徹底的に観察しました。 すると、朝の8時台に、車で出勤する男性が1人で買っていくことが多いことに気づきました。
教授は客に聞きました。「あなたはなぜ、このミルクシェイクを『雇用』したんですか?」 すると、客の答えはこうでした。
「これから会社まで、退屈で長いドライブをしなきゃいけないんだ。片手で運転しながら、腹持ちが良くて、ストローでちゅうちゅう吸うのに時間がかかる(暇つぶしになる)ものが欲しかったんだよ。バナナじゃすぐ食べ終わるし、ドーナツは手が汚れるだろ? だからミルクシェイクを『雇った』んだ」
【ここがマーケティングの急所です】
この客にとって、ミルクシェイクの競合(ライバル)は、他の店のシェイクではありませんでした。 「バナナ」や「ドーナツ」、あるいは「退屈な通勤時間を潰すためのラジオ」がライバルだったのです。
これが「ジョブ(片付けるべき用事)」を見抜くということです。 これに気づいた店は、ミルクシェイクをさらにドロドロにして(もっと時間をかけさせるため)、朝のドライブスルー専用レーンを作りました。結果、売上は爆増しました。
あなたのサービスは、お客様のどんな「退屈」や「苦痛」や「手間」を解決するために雇用されるのでしょうか?
それを言語化し、Webサイトのど真ん中に配置しなければ、誰もクリックしてくれません。
あなたは「主人公」ではない。ただの「ガイド(導き手)」だ
もう一つ、Webサイトを作る上で絶対にやってはいけないことがあります。 全米で大ベストセラーになった『ストーリーブランド戦略』(ドナルド・ミラー著)で語られている、残酷な真理です。
「あなたの会社のWebサイトにおいて、主人公はあなた(自社)ではない。お客様が主人公である」
スター・ウォーズで例えるなら、ルーク・スカイウォーカー(主人公)はお客様です。
あなたは、ルークを導くヨーダ(ガイド役)でなければなりません。
ダメなWebサイトは、自分がルークになろうとします。「俺はこんなにすごいんだ!剣術(技術力)を見てくれ!」と。 それでは、お客様は「ふーん、すごいね(でも私には関係ないね)」と去っていきます。
ヨーダはどうしたか?
彼は自分の凄さを自慢するのではなく、ルークの悩み(ダース・ベイダーに勝てない、フォースが使えない)に寄り添い、ルークに「武器(ライトセーバーとフォースの使い方)」を授けました。
あなたのWebサイトは、ヨーダにならなければいけません。
【ヨーダになるためのWebサイト構成】
- 共感: 「毎日の面倒な事務作業に、時間を奪われていませんか?」(ルークの痛みに共感する)
- 権威: 「私たちは、その問題を解決する専用のシステムを開発するプロです」(ヨーダとしての信頼感)
- 計画: 「この3ステップを踏めば、あなたの業務は自動化されます」(明確な解決策の提示)
- 行動喚起: 「今すぐ、無料相談に申し込んでください」(フォースを使えと背中を押す)
- 成功の回避: 「このシステムを導入すれば、もう残業して家族との時間を犠牲にすることはありません」(悲惨な結末を回避できると伝える)
この「ストーリー」の型に沿って文章(コピー)を書き、それに合わせてデザインを組む。 これが、アリエスラボが提唱する「本当に売れる集客サイト(LP)」の作り方です。 デザインから入るWeb制作は、順番が180度間違っているのです。
あなたのWebサイトの「主語」は誰か?
ここまで読んでくださったあなたに、今すぐやってほしいテストがあります。 自分のビジネスのWebサイト(またはSNSのプロフィールや提案文)を開いてみてください。
そこに書かれている文章の「主語」は誰になっていますか? 「私たちは〜」「当社の強みは〜」「私が提供できることは〜」
もし「私(We/I)」ばかりなら、今すぐそれを「あなた(You)」に書き換えてください。 お客様は、あなたの会社の歴史やスペックではなく、「自分の人生がどう変わるか」にしか興味がないという事実を、骨の髄まで叩き込むのです。
- 1ジョブを特定する
お客様が解決したい「本当の用事(壁の穴)」は何かを見抜く。
- 2主人公を交代する
お客様を主人公(ルーク)にし、あなたは導き手(ヨーダ)に徹する。
- 3未来を提示する
サービスを使った後の「最高の未来」と、使わなかった時の「最悪の結末」を明確に伝える。
この本質を理解した瞬間に、あなたの書く文章、作るWebサイトは、単なる「綺麗なゴミ(デジタルパンフレット)」から、「24時間文句も言わずに働き続ける最強の営業マン」へと劇的に進化します。
プログラミングやデザインの勉強も、もちろん大切です。 しかし、それ以上に「人間がモノを買う心理(マーケティング)」を泥臭く学ぶこと。 これこそが、資本力のない私たちがビジネスの世界で生き残り、お客様に本当の価値を届けるための最強の武器(Ailes)になります。
デザインの流行は数年で廃れますが、「人間の心理」は100年経っても変わりません。
あなたも今日から、
自分のサイトの「主語」を変えてみてください。
たったそれだけで、お客様の反応が目に見えて変わるはずです。一緒に、お客様の心を動かす「本物」のビジネスを創り上げましょう。



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